今日は4月1日、
エイプリルフールだったようですね。
私には友達がいないので
エイプリルフールの習慣がないので(震え声)
昨日読了した「フール」にまつわる小説のおはなしを。
市井豊さんの小説、
『聴き屋の芸術学部祭』を3月末に読了しました。
え、なにが「フール」にまつわるのかですか?
ああこれ〈ザ・フール〉という名のサークルが出ます←
まずはこの小説をめぐるおはなしをさせてください。
市井さん、そして、〈聴き屋〉君との出会いは約4年前。
『放課後探偵団』というアンソロジー小説でのことでした。
当時の読書ノートを開いてみるとこんな記載がありました。
市井豊の『横槍ワイン』が1番好きで(σ・∀・)σ
キャラクターや文体は軽いのにロジックはしっかりしていて
心地いい これぞ学園ミステリって感じの作品だったなぁ♪♪
上目線の感想なのは当時中二病だったからです(白目)
ここに登場する「横槍ワイン」の主人公。
なにを隠そう〈聴き屋〉君その人なのです!
『放課後探偵団』読了後、
〈聴き屋〉がシリーズ化され単行本になったのを知りました。
ところが当時は文庫派に完全移行しておりさらに文庫化待ち。
文庫化を待ち続けているうちに4年の歳月が流れていました。
先週の月曜日だったと思います。
書店で棚差しされた〈聴き屋〉の文庫を見たとき、
書店であることを忘れて発狂するかと思いました(迫真)
夜さっそく読んでみる。
ふぉぉぉ…市井さんの文章だ( ゜∀゜ )
市井さん、そして、〈聴き屋〉君との4年越しの再会でした。
前置きが長くなりましたが感想のほうを書いていきますね。
『聴き屋の芸術学部祭』とタイトルはやたら陽気ですが、
じつは死体アリと日常ミステリがそれぞれ半々の割合。
市井さんもおっしゃるとおり結構「バラエティ豊か」です。
あとがきで市井さんはかなり申し訳なさそうでしたが(笑)
タイトルの「芸術学部祭」らしい配分だったように思います。
ああいうのってゴチャゴチャした空気が良いんですものね。
聴き屋の芸術学部祭:
学生の頃は文化祭のシーズンになると決まって
「(文化祭は)生徒が主役」と言う先生が1人はいました。
当時はいつだって自分たちを主体に考えていたけれど
あの場所には、生徒がいれば、先生もまたいるのです。
そして彼らから見える「学校」の姿は必ずしも一緒ではない。
〈成人〉という同じ枠組みにいながら〈学生〉と〈職員〉がいる。
大学という場所はそうやって考えるとちょっと不思議ですね。
からくりツィスカの余命:
ごめん、作中の劇(台本)が良すぎるとしか(´・ω・`)笑
少年が好きですショタは至高ですありがとうございます。
幸せを願うからこそ残酷な物語に惹かれるの、
と先輩はあとで言っていた。
虚構の残酷さに触れて感情が動くほど、
現実の生と幸福を噛み締めることができる。
だから好んで読むものは不幸の物語であっても、
願うのは幸福なのだと。
記憶が曖昧で確かな情報ではないのですが、
「人の死を間近で見ればそんな小説は書けなくなる」
ある作家はそのようなことを言ったそうです(うろおぼえ)
どんな本にも私たちと同じように誰かが生きている。
誰もが幸せでありますように――それは「物語」の世界でも。
余談ですがMr.Childrenの「HERO」を思いだしました。
♪ダメな映画を盛りあげるために簡単に命が捨てられていく
あの曲の歌詞にも似たようなことが書かれていましたね。
濡れ衣トワイライト:
もっとも大学生らしい会話・ノリ・雰囲気が味わえるおはなし。
ところで、人の話を聞く、という行為はときには新たな発想を
もたらし物事を別の視点から見せてくれることがありますね。
誰かの行動がある手段で「謎」になり、
話を聞いた別の誰かの手で「日常」に解体される。
物事を様々な方面から見るのはなかなかおもしろいことです。
なにが言いたいかわかりますか、ええ、つまりそういうことです。
ミステリー小説なのにさっきから謎にまるで触れていないし
むしろいつも主題からズレズレの感想しか書いていないけど
脇道の部分に焦点を当てた感想があってもいいでsy(殴)
泥棒たちの挽歌:
だって、
作者の思惑を超えるのが評論というものじゃないですか。
梅ちゃんの言葉を真に受けるならば、
これはミステリーではなく男の友情を描いた青春小説とも言える。
〈聴き屋〉君と川瀬、テツとヤス、メロスとセリヌンティウス、そして。
(※唐突にメロスが出てきた理由については本編を読んでください)
私はこの男の友情とやらがそれはもう昔から大好きです(´∀`)
「うぇ~いw」「うぇ~いww」で成り立つ会話!素晴らしい!←
作中で触れた『横槍ワイン』が収録されているのはコチラ↓