完全犯罪(かんぜんはんざい)とは、犯行の手口が社会的に露見せずに犯人が捕まらない犯罪を指す。推理小説やテレビドラマなどにおいて、犯行の隠蔽や題材の一つとして用いられ、主に知的なトリックを用いたタイプと、現実的な確実性を重視したタイプに分類される。
――Wikipedia「完全犯罪」より
先日道ばたにタンポポが咲いているのを見かけ、春の気配を感じたのですが、どっこい2月中旬、まだまださむい日がつづいていますね。うう~Francfrancで売っているラグマットみたいなぬくいパーカーとあたたかい飲みものが手放せない。
毎日こうも寒いとミステリー小説を読むのがはかどります。冬って無性にミステリー小説が読みたくなるんだよなぁ。正統派というか、もう、ゴリゴリに硬派なやつ。完全犯罪とか。ああいうのってトリックは複雑なんだけど犯人は意外にもどこにでもいるごく普通の人って感じで…って、ちょっと待った。
一般人に完全犯罪って考えられるの?
嘘のひとつも上手につけない私に完全犯罪を目論む犯人の思考回路がわかるわけがないので、逆に、日頃息をするように嘘をつく知人・わかばに訊いてみたところ「それなら一緒に完全犯罪を考えてみよう」と持ちかけられたのでミステリー作家必見の明日から即使える完全犯罪のトリックを実際に考えてみました。はたして一般人は本当に完全犯罪を思いつくことができるのでしょうか。乞うご期待!
〇〇の完全犯罪を考えよう!
予告状を出そう!
よくありがちなのはさ、こう、どっかのバカみたいな金持ち?が住んでるお城?あるじゃん?なんか山奥に住んでさ。
豪邸かなんかに住んでるバカみたいな金持ちがさ、いるでしょ?んでそこに〈ナントカカントカ〉っていう高級な宝石があります、みたいな。ありがちでしょ?それを頂戴しに参上すると。
予告状でも出すの?証拠は残さないほうがいいんじゃん?そういうところからボロが出るんだよ?
指紋とか消印とかさ。なんで郵送してんのか知らんけど。
いや郵送するでしょ山奥のバカみたいな豪邸に住んでるんだから。
え、だってそれは怪盗のプライドにかけて譲れないでしょ。
パレスの中のボスがあらわれないから。予告状出さないと。
すり替えトリックをやろう!
で、盗むときにね、思ったの。なんかよくあるじゃん。こう本物の宝石と偽物の宝石をすり替えていくみたいなさ。
だけど偽物だとあとあとバレちゃうからさ、事前にもう1個さ、本物を持っておいてさ。
その本物と盗もうとしてるやつさ、すり替えとけばさ、
まがりなりにも怪盗を名乗る奴がメルカリ程度で買えるものを盗むな。
凄腕の職人をたきつけよう!
〈ナントカカントカ〉は世界に1個レベルにしないとさ、しょうもな!って思われるじゃん、怪盗として。
なんかすーごい凄腕の職人さんにさ、「この世界に1個しかないといわれている〈ナントカカントカ〉、あなたに、作れないんですかね…?(挑戦的な目)」
じゃなくて、それは、ほら昔の、なんか偉い歴史のある職人さんが作っていて。「その人を超えられなくてよく現代で地位守っていられますよ…ね?(挑戦的な目)」みたいな。「ね?」みたいな。
そしたら「なんだとぅ?なら作ってやろうじゃねえか…!」みたいな感じでもう、なんならもう〈ナントカカントカ〉よりすごいもの作っちゃうみたいなね。
窃盗するための手段よ、あくまで。たきつけるのは。おやっさんたきつけるのはあくまで手段よ。
完全犯罪の先輩に話を聞こう!
完全犯罪する人ってそもそもなにをモチベーションにしてるの?
なにか別の大きい目的があって完全犯罪は手段でしょ、だって。
じゃあはい、なんか、生き別れになった兄の行方を求めて完全犯罪をする少年Bさん。どうぞ。
私の場合は、生き別れの兄を探すにあたって、極秘情報のある警察署に殴りこみをかけたんです。
学校を休もう!
その仮病さ、本格的に調べられたらバレるじゃん。「じゃあ熱はかってみ?」って。36度5分。はい登校。
私はやったことないけど、そういうのは摩擦熱とかでちょっと、38度ぐらいになったらパッと離すみたいな、よくあるよね。
知らない?体温計わたされたときに、脇にやらないで服でこするとかカイロに当てるとか、で、熱がいい感じに出てきたところで「はい」みたいな。漫画とかテレビで見たことある。
うん、だから、そのときにどうやって親の目を盗んでカイロを用意するかよね。
難しい名前の仮病を使おう!
1個考えたのが、まわりがよく知らないようななんかすごい難しい名前の病気になる。
立ちくらみの正式名称?別名?がさ、あるよね。なんだっけ「眼前ナントカ感」みたいな。
立ちくらみの別名。つまり、一般的な通称を聞いちゃうと「ああその程度か」みたいなものもさ、医療的正式名称みたいなもので言ったらさ、クラスメイトからしたら「なにそれは」だよ。
しゃっくり…しゃっくりは「横隔膜痙攣」。
すごい。一大事っぽい。「横隔膜が痙攣しているので休ませてください!」「え!大丈夫?」
親からしたらさ、「横隔膜痙攣なんだぁぁぁ!(ひっく)」みたいな。
仮病の〇〇で学校を休もう!
親すらなんの名称かわからんものにしないといけないんじゃないの?
名称っていうか、傍目から見たらヤバそう、みたいな状況になってればいいんじゃないの?なんだろう?他の名称調べてみる?
見た目でわかっちゃう系はさ、親の目を逃れられないよね。頭痛とかなら傍目から見たらわかんないからさ、本人の申告次第じゃん。しゃっくりはわりと、ねぇ、見た目でわかっちゃうからダメね。
要はまわりから理解を得難いけど本人的にはめちゃくちゃ苦しいやつでしょ?生理痛とか。
症状に個人差があって自分の場合めちゃくちゃしんどい系病気。
あるけど、そんなんで休まれたらたまったもんじゃないよね。
片頭痛…でも小学生から片頭痛ってあれね、マセてるね。
あ、でも片頭痛だとその日の気圧が低くないと怒られるかな。「片頭痛ぅ?今日気圧低くねえじゃねーか!」って。
でも実際はわからんよね。片頭痛持ってないからさ、どのタイミングで片頭痛になるとかわからん。
「片頭痛です」言われたら「ああ、片頭痛起きやすい日なのか今日は」って思う。
貧血は血の量を調べないといよいよわからないんじゃないの?
「貧血なので休みます」うわぁかわいそう、ってなる。
「〇〇ちゃん♪血、持ってきたよ♪」って感じになるかもしれないけどね。
次の日は「レバー食ったら治った」とか言っておけばいい。
すごい、本当に一般人にも完全犯罪を考えることはできるんですね。
はたしてこれが犯罪なのかについてはまぁちょっと議論の余地があるけれど。
というわけで、我々一般人にも完全犯罪を考えることは可能でした。フィクションの中だけの話じゃなかったんですね。最近ネタに行きづまっているミステリー作家のみなさんも明日は仮病の貧血で学校を休む小学生のミステリーを書いてみてはいかがでしょうか?私は読みたいそれ。こちらからは以上です。