亀仙人 < もうちっとだけつづくんじゃ。

 

 

 

2泊3日の旅程を終えて帰ったあと、汗をかいて疲れをとろう!となにかしらのえげつない香辛料が効きまくった火鍋を食べたんですが、翌日もちろん胃を壊しました。3回くらい吐きました。大型連休中に胃を壊すのはこれで3回目。年々吐くときの手際のよさに磨きがかかってきている。

 

今回は突然さしこみがやってくるというニュータイプの胃痛で、いやもう、過去最高につらかった。「さしこみ」という言葉を実際に使う日がくるとは思わなかった。漠然と知っているだけで人生を終えるんだとばかり。使いかた間違えてないよなと「さしこみ」の意味を調べたのですが「持病の癪が!」でおなじみの「癪」のことなんだって。知ってた?

 

食後に強烈なのがくるので(※個人の感想です)食欲は失せるし、あまりの痛さに「痛い痛い痛い!」と声をあげのたうちまわり、安静にするもいつまたさしこみがくるかという恐怖でまともにねむれない。拷問。こんなもの絶対に持病にしたくない。

 

あのとき選んだ火鍋のスープ、説明欄の末尾に「胃腸炎、胃潰瘍の方はお控えください」みたいなことが太字で書いてあって、胃腸炎のときに火鍋なんか食べないだろと内心ツッコみながら注文したんだけど、あれたぶん「胃腸が弱い方はお控えください」って言いたかったんだろうな……とその日は1日中考えていました。読解力を読書に全振りしてはいけない。

 

 

 

完全なる自業自得で胃を壊したこの日、当初の計画では釣りに出かける予定でした。釣り。同じところで。無限ループってこわくね?

 

ところが翌日になっても私がのたうちまわっているのでついに「病院に行こう」と 悪魔のような 優しい言葉が放たれ、めちゃくちゃ行きたくなかったのでイヤイヤをしまくり、なんとか強行突破までこぎつけました。これが大人のやることなのだろうか。病院行きたくないんですもん。医者と話すのこわくて。

 

19時か20時頃に目的地に到着。もう一度言いますが数日前に釣りをしたのとまったく同じところです。こんな短期間に二度同じところに遠出するなんてことある?あったわ。2日連続でナンジャタウンに行ったことあったわ。エサを買いに釣具店に赴いたとき「海老で鯛を釣る時に使う海老」という名前のエサがあってちょっとおもしろかった。腹を冷やさないよう今回はきちんとウインドブレーカーを持っていきました。快適。快適すぎて1時ぐらいに気づいたら寝ていた。なにしに来たの?

 

 

 

今回は合間にmokosoft制作の「釣り場からの脱出」をプレイしました。釣り場で「釣り場からの脱出」をやったらおもしろいなとかいう安直な理由。まさかの実写。公衆トイレの前にスネアドラムが置いてあるという脱出ゲームならよくある謎の光景も実写だとシュールで笑ってしまう。一方、謎解きそのものはしっかり手間がかかり解きごたえがあって楽しかったです。ゲーム内の釣り竿はきちんと仕事していたけど現実の釣り竿はびくともしなかった。悲しい。

 

 

あとは、品田遊『止まりだしたら走らない』を読みました。釣りの合間に読むから精読はできない!感想記事は書かない!と割りきって気楽に読めそうなものを選びました。何編か「おっ」と思わせるおはなしもあるので「つまらない」とは言いませんが、うーん、つかみどころのないものばかりだったからどのみちきっと記事は書けなかった。たくさんのキャラクターと彼らの凡庸でひねくれた思考を描きわけることで自分との共通点や気づきを見つけさせて共感させる。よくも悪くも読者=ファンの期待に応えるのが上手い人なのだなと思いました。――なんてことを考えているあいだも竿はびくともしなかった。おい。

 

 

釣果ですが、手のひらサイズの穴子1匹のみでした。私が寝ているあいだに連れが釣っていたようです。……弁解しておくと、私だって脱出ゲームだとか読書だとかはあくまで合間にやっていただけで、基本的には主に釣りをしていたんですよ。キャンプしている人のような筆致だけど。

 

 

 

というわけで、いよいよまごうことなきボウズでした。2回も書くということはさすがに今回は釣れたんだろうなと思ったでしょう。また釣られてしまいましたね。わっはっは。今回はお詫びのハゼ写真すらありません。泣きたいのはこっちです。まぁでも、釣りをしながら外でのんびり小説を読んだりする時間は好きだな。また行きたい。

 

胃は翌日ばっちり治りました。こちらからは以上です。

 

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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。