今年も開催。

わかば
待ってた!

 

 

 

2018年おもしろかった小説は?

というわけで、これが2018年に読んだおもしろかった小説10冊。

 

サーカスの夜に
紙の魔術師
それは宇宙人のしわざです
カーテンコール!
僕には世界がふたつある
あずかりやさん
カラスのジョンソン
京洛の森のアリス
わるいうさぎ
会社を綴る人

 

わかば
うむ、そして今回もそれぞれ設定を簡単に抜きだしてくれたと。

 

わかば
抜きだしすぎじゃない?

几帳面な性格が完全に災いした。

わかば
まぁ、でも相手にとって不足はないよ。

超えてやるさ、去年の設定なんて。

わかば
匠の技でひとひねりだわ。

 

 

 

ジャンルを決めよう!

わかば
舞台としてはやっぱ神々の世界じゃないかな。

え?

わかば
神々の世界でしょやっぱ。

「現代の神話」だから?

わかば
うん。

(『カラスのジョンソン』のジャンル、あらすじを真に受けて「現代の神話」にしなきゃよかったなぁ)

 

わかば
神々の世界には、まぁ、きっといろんな神様たちがいるんでしょう。

そうだろうね。

わかば
ってことは、そこで群像劇がはじまるわけよ。

神々の群像劇

わかば
で、日常的な謎と事件が起こるわけ。それを解決する“なんでも屋”を生業としている神様のお仕事冒険ファンタジーよ。

おお、あらすじっぽい。

わかば
でしょ!だけど見て、人物一覧。

 

わかば
神様、全然関係ない

(大爆笑)

わかば
もうね、さっそく辻褄合わない。

終わった。

わかば
大丈夫、ここは神々の世界。なんでもありえるのだ。

急に『ドラゴンズクラウン・プロ』のゲームマスターみたいな語りしてきた。

 

 

 

 

主人公を決めよう!

わかった!(挙手)

わかば
はい、どうぞ。

主人公の拠点が、異世界の京都にある製粉会社

わかば
神様なにしてるの?

異世界の京都にある製粉会社で働いてる

わかば
神様、製粉会社社員なの?

そう。

わかば
神より偉いって社長何者なの。

ゼウスとか。

 

わかば
ああ、じゃあ神としても結構下等なほうだ、主人公は。

「下等」はさすがにかわいそう。

わかば
「平社員」改め「平神様」だ、言ってしまえば。

 

わかば
じゃあ主人公の趣味は、

え?

わかば
趣味はね、週末の休みに団地の奥でやってるサーカスを見に行くことなの。

え?

わかば
で、

うん。

わかば
…………。

…………。

わかば
はぁ?

 

わかば
神様の世界に団地あるんだけど?(半ギレ)

 

 

 

短編小説にしよう!

あれだよ、たぶん依頼で1900年代初めのロンドンに行くんだよ。

わかば
あ、製粉会社の出張的な感じで?

違う、製粉会社は表の仕事

わかば
え?

日常的な謎と事件を解決することを生業にしてるから。

わかば
その設定忘れてた。

裏稼業でなんでも屋もやってるの、主人公は。

わかば
わかった、裏稼業は〈1日100円でなんでも解決するなんでも屋〉にしよう。

安ッ。

わかば
その依頼で行くのが、1900年代のロンドン、廃校が決定した女子大、現実と妄想の世界、自然界。

あれだ、ユニコーンのケンカの仲裁とかするんだ。

わかば
全然するよそんなの、100円でね。

コイツなんで100円ぽっちでこんな仕事してんの?

わかば
趣味

サーカスの話どこ行った?

 

 

 

物語をつくろう!

じゃあ次は、その先々に登場する人物たち、依頼人とか関係者ってことだね。

わかば
「依頼人のご登場です」

『開運!なんでも鑑定団』みたいに登場するな。

 

┃ロンドン編

わかば
まぁ依頼人はあれかな、カラス

え?

わかば
カラス

 

自然界編じゃなくて?

わかば
いやぁ、カラスは1900年代ロンドンだよ。

なんで?

わかば
相場で決まってるの!

え?

わかば
「いやね、とある店の店主の目をね、ついばんじゃいまして

え?

わかば
「どうすりゃいっすか?」

(大爆笑)

わかば
「ついばんじゃったんですよねー」

(大爆笑)

わかば
「相手盲目になっちゃったんですけど、どうすりゃいっすかね?」

謝ろう?

わかば
で、主人公が1900年代ロンドンまで行って、盲目の店主に会うの。

はぁ……それで?

わかば
店主に「大丈夫か?」って聞く

大丈夫なわけない。

 

わかば
「俺の目が見えなくなったのは、かつて少女をどこかに置き去りにして天涯孤独にしてしまったからなんだ」

業の深い勘違いをしておられる。

わかば
店主の話を聞いてカラスも「そうだそうだ」って同調するのね。

おい。

 

オチどうするのこれ。

わかば
神の力で店主の目をもとに戻し、少女に友達を与える

なんて?

わかば
神の力で店主の目をもとに戻し、少女に友達を与える

少女なんでここにいるの?

わかば
召喚した

!?

 

友達は?

わかば
創造した

!?

 

わかば
万事解決、大団円。

 

 

 

 

┃女子大編

わかば
女子大編の「女子大」っていうのは神様が通う大学で主人公の母校なんだけど、あるとき、主人公の元に学生時代世話になった紙の魔法を使う先生が訪ねてくるのね。

「神」と「紙」がなんか上手い具合に掛かった。

 

わかば
話を聞いてみると、その学校には問題児的なワケあり女子大生がいるんだけど、先生は指導しているうちにその子とイケナイ関係になっちゃったと。まぁ先生には奥さんも子供もいるんだけど。

うわぁ。

わかば
それでね、

うん。

わかば
「どうしたらいいと思う?」

謝ろう?

わかば
で、結果的に主人公は神の力を使って先生を子供に戻して引きこもりにさせちゃうのね。

なんで?

わかば
「二度と外へ出てくるな、おまえがいなければ万事解決だ」

激おこじゃん。

わかば
で、「救わないほうがいい人間もいるんだなぁ・・・」って成長した、主人公が。

ハートウォーミング成長物語の設定消えたじゃん。

わかば
後日談としては、先生はなんやかんやあって心を病んでしまう

ハートウォーミング成長物語などなかった。

 

 

 

 

┃現実と妄想の世界編

わかば
ある日、「俺も神の力を使いたい!」って言う男性会社員が人間界からやってきてね。

なにがあった。

わかば
「こんな会社員なんて嫌だ!24時間勤務なんて嫌だ!

待って、すごい社畜

わかば
「週8勤務なんて嫌だぁ!」

待って。

 

わかば
「俺も神の力を使いたい!あわよくば同じく神の力を手に入れるために同じタイミングで入門する女の子とイチャイチャしたい!ねんごろになりたい!」

欲まみれだしめちゃくちゃ設定つくりこんできてる。

わかば
依頼を受けた主人公は、母校の女子大に体験入学?できるようにして根まわしをしてあげるの。で、体験入学してみたら第2話で出てきたあのワケあり女子大生の登場よ。

つながった。

 

わかば
男性会社員にとってはワケあり女子大生は完全に好みだったんだけど、でも、ワケあり女子大生からしたら「しょせん人間だし」「アタシはアンタみたいな人間になんて興味ないわ」みたいな。

ああ、神様の学校に通っているってことは神様なんだもんね、この子も。

わかば
ワケあり女子大生の気持ちを知りつつも、でも男性会社員にとってはこの短い期間にしかチャンスがないから、いよいよ、「ええい告ったれ!」って強行突破で告白しちゃうわけよ。

青春だなぁ。

わかば
で、女子大生はドン引き

ああっ……!

わかば
「人間ごときがアタシに告白だなんて、度をわきまえろゴルァ!」

ワケあり女子大生、ゴリゴリの鬼ヤンキーじゃん。

わかば
問題児だもん。

 

わかば
そのワケアリ女子大生の声がさ、その、すさまじい声量だったのね。神様だから。

うん。

わかば
吹き飛んじゃってね、男性会社員。

(大爆笑)

わかば
星になった

バイキンマンかな?

わかば
でさ、星ってよく神様に例えられるじゃん?

あ、星座ね。

わかば
空を見上げた主人公が「星になったことによって神様に近づけたね」って。

上手いこと言ったみたいな顔すんなし。

 

 

┃自然界編

依頼人はやっぱり動物たちなの?

わかば
女性編集者

え?

わかば
『ナショナル ジオグラフィック』の女性編集長でしょ、ここは!

なんで私怒られてるの?

 

わかば
「私たちの世界では、今、動物たちが激減している」

うん。

わかば
「動物が減ったらどうなると思う?」

うんうん。

わかば
私の仕事が減る!

やはりただのクズ……!

わかば
「100円やるからなんとかしたまえ」

正真正銘「神頼み」。

わかば
しょうがないから主人公は女性編集長たちの住む人間界に降り立ってね、実際に動物たちの様子を見に行くわけよ。

なにするの?

わかば
街頭インタビュー

え?

 

わかば
「どう?ぼちぼち?」「ぼちぼちー」「やっぱりかぁ」

会話描写の文章力のなさ。

わかば
実際動物たちに聞いてみると、どうやら、本当に動物は減っているらしいと。

うん。

わかば
…………。

…………。

わかば
ただいまをもってネタが全部なくなったけど?

がんばれ、ほら、まだ「魔術学校の実習生の少女」使ってないよ。

わかば
ね。

急速に興味なくしたじゃん。

 

わかば
わかった。

ん?

わかば
主人公的には、なんとかしなきゃとは思いつつ、でも神様の力で動物をむやみに増やしたら生態系のバランスが崩れちゃうからできるだけ介入しないようにしなきゃいけないしなーって葛藤してて。そしたら「ちょっと待ったぁ!」

お?

わかば
「お、おまえは……!」

わくわく。

わかば
「そう、私はかつてロンドンであなたに救われたあの天涯孤独な少女の末裔よ!」

またつながった。

 

わかば
末裔ガールの家系はね、あのとき主人公に救われてからというもの、みるみるうちに家がどんどん繁栄していって、富を築いて、もう世界中に子孫がいるのね。

なにそれすごい。

わかば
だもんで、「私、親類やらなんやら世界中にいるみんなにこのことを伝えるわ!」

なにを?

わかば
「動物を減らさないように呼びかけるわ!」

ああそう。

わかば
女性編集者も「そりゃ助かる!」

あんたはもうちょっと自力でがんばれ。

わかば
こうして主人公は「神様なしの力で解決するなんて、人間ってやつは、立派に成長しやがるぜ……」って、思う

思う」ってなんだよ。

 

このオチで話が終わるなら私はこの小説を壁にブン投げる。

わかば
えっ、うそうそ、じゃエピローグ。

いいよもう、使う設定もなくなったし。

わかば
まだ「魔術学校の実習生の少女」使ってないから。

え、末裔ガールは?

わかば
オリジナルキャラ

キャラ増やすなし。

 

 

 

┃エピローグ

わかば
エピローグはね、まぁ、そんなこんなで製粉会社で働きつつも裏稼業ではこんなふうに人、神様、動物、いろいろ救ってきたじゃん。

(救ってないけど)

わかば
そんなある日、主人公の元に「ごめんください」って来客があるの。

お?

わかば
開けてみると、少女が立っています。またいつもどおり裏家業の依頼かな、って思っていたら、なんと少女が「ここで働かせてください!」って言ってくる。最後に主人公が「新しい弟子ができて、これからまた、いそがしくなりそうだな♪」って、思う

また「思う」で終わった。

 

 

 

 

タイトルを決めよう!

わかば
製粉会社勤務の神様だが1日100円のなんでも屋が繁盛する件

なんて?

わかば
製粉会社勤務の神様だが1日100円のなんでも屋が大変盛況な件

ライトノベルかな?

わかば
んー、でもやっぱ一言でバチッ!と決めたいよね。

まぁ、1個ね、思いついたんだけど。

わかば
お、いいよ、言って言ってどんどん。

神様が1日100円でいろんな人の悩みを聞いて解決してるわけでしょ?……というわけで、「神対応

わかば
あ、いいじゃん!「ホンモノの神様の”神対応”とは!?」って帯ついてそう!これなら手に取るでしょ?神様好きだもんね、去年も神様出てきたしさ。

否定はしない。

 

 

 

 

主人公の名前を決めよう!

わかば
あとは、主人公の名前くらいは決めたいね。

名前かぁ、どうしようかな。

わかば
「神尾」

日本の神様でいいの?

わかば
拠点が異世界の京都だし。

そっか、その設定忘れてた。

わかば
ゴツト……。

え?

わかば
神(ゴット)だから。

どういう字書くの?

わかば
「ツ」と「ト」はどっちも「都」にしよう。

どっちも!?

わかば
五都都さん。

強い。

 

ひらめいた。

わかば
なに?

「ゴットマーザー」をもじって下の名前は「マアサ(ア)」ってどう?

わかば
あ、いいんじゃない?どういう字書く?

神の力使うし、魔法の「」に「」。

 

わかば
よし、じゃあ今年も表紙つくろっと。

じゃあ私はあらすじをまとめておくね。

 

 

 

完成しました

というわけで、完成したものがこちらです。

 

 

あらすじ

神々が暮らす世界、その一角で製粉会社に勤めるごく普通の神様平社員・ 五都都魔朝(ごつとまあさ)のもうひとつの顔――それは、1日たったの100円でどんな悩みごとにも真心こめて“神対応”をするスーパーコンサルタントだった!? 今日も魔朝の元には1900年代初めのロンドンから飛んできたカラスや、紙の力を操る母校の恩師、地球の未来を危惧するサイエンス誌の敏腕女性編集長など悩める依頼人たちが。人知を超える神の力で魔朝が彼らに見せる”神対応”とは? 森羅万象の苦しみを救済しながら一歩ずつ成長していくお人好しな神様のファンタジーお仕事小説。

 

 

 

 

 

わかば
どう?

ちょっとおもしろそう。

わかば
ktkr!

 

こちらからは以上です。

 

 

 

おまけ

わかば
表紙、別バージョン。

なぜ2種もつくったし。

 

Ranking
Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。