知念実希人『甦る殺人者 天久鷹央の事件カルテ』を読了。甦るってどういうこと?って最初はわくわくしながら読んでいたはずなのに、物語の着地点が存外に寂しいところだったので絶賛放心中です。まさか「わくわくしながら読んでいた」ことをこんなに考えさせられるとは。たまたまサイン本を手に入れることができたのですがシリーズの中でも大切にしたい1冊になったのでよかった。うれしい。
褒めています!
都内近郊で若い女性が次々と首を絞められ、惨殺された。警察は現場に残された血痕のDNA鑑定を行い、容疑者を割り出すが、それは四年前に死んだ男だった……。止まない殺人劇。メディアに送りつけられる犯行声明文。これは死者の復活か。あるいは、真犯人のトリックか。天医会総合病院の天才女医・天久鷹央(あめくたかお)は事件の裏に潜む“病”を解き明かし、シリアルキラーに“診断”を下す。
※あらすじは新潮社webサイト(http://www.shinchosha.co.jp/book/180109/)より引用しました。 |
シリーズ通算8作目。刊行ペースが早いのでうれしい反面、いやぁ、知念氏の脅威の速筆には舌を巻くばかり。平行して別の長編とかもコツコツ刊行してるって頭どうなってるんだ。
長編ですが文章の流れがするする水のようでテンポもいいので2日で読了。鷹央が下した“診断”にも驚きました。「世界仰天ニュース」(テレビ番組)で取りあげられそう。
特筆すべきはやっぱりプロローグと幕間でしょう。犯人目線で書かれているのですが、犯行に及ぶ際の犯人の快感は嫌でもこちらに流れこんでくるようでもう最高に気分が悪かったです。なんて文章力。褒めています!
私の怪物に優しい子守歌を
「あんたも俺も、生まれながらに普通の人間とは違った。俺はそれを利用して女を殺していった。そして、お前はその能力を使って俺を殺す。俺とお前にどんな違いがあるっていうんだ? 俺もお前も同じ怪物なんだよ。普通の人間と同じようには生きることができない怪物だ」
(P285/L8~11より引用)
頭を、ガツンと殴られたようだった。
誰もが手軽に自己を表現できるようになった現在、同時に、私たちはたがいに容赦ない監視者にもなった。自分の承認欲求を満たすために他人の粗を探し、善意の皮をかぶって攻撃する。訳知り顔で“善意”に加担する。――それは、本書の〈怪物〉が持つ悪とはたしてなにが違うだろう。
私の倫理観や正義だって、一歩間違えれば怪物となって誰かを傷つけるかもしれない。ううん。もしかしたら、もうどこかで…。事態を真摯に受けとめて解決の先にあるものを見届ける鷹央の姿には胸が苦しくなりました。
“正しさ”なんてきっと存在しない。
自分の正義を貫くことしか、たぶん、できない。
だったらせめて、私は私の中にもきっといる怪物の存在を正直に認めて、責任をもって面倒を見つづけよう。いつか大切なものを壊さないように、どうかねむっていてねと、優しい子守歌を唄いながら。
※飛燕連脚で答えは出ません
正義ってなんだ。
もうね、最近、全然わからないです。「テイルズ オブ ベルセリア」(ゲーム)はじめたらますますわからなくなってしまいました。なんだよ“理”が正しいのかよ。“個より全”っ本当にそれでいいのかよ。自分の正義を貫くしかないなんて詭弁だ。だって私には私=ベルベットのしていることがたとえ「自分」と限定したうえでも正義なのかわからない!わああああ!とりあえず飛燕連脚撃っとこ!
こんなに苦悶しながらテイルズをやっているのは私だけだと思いたい。