笑った
  • 常識破りの美しさ 残り80% -『最後にして最初のアイドル』感想

    草野原々『最後にして最初のアイドル』を読みました。久しぶりに平積みではなく棚差しから見つけてきた1冊。初読の作家です。まずはタイトルに惹かれ、早川書房が出すタイトルっぽくないなと不思議に思いながら手にとるとあら表紙がかわいい。色彩の暴力に圧倒されながらあらすじに目を通すと「実存主義的ワイドスクリーン百合バロックプロレタリアートアイドルハードSF」という文字。情報の大渋滞。なにこれは。絶対お...
  • 恋が溶けたあたりまえの底 -『完璧主義男に迫られています』感想

    桜川ヒロ『完璧主義男に迫られています』を読みました。書店をぶらぶらしているときたまたま目にして、タイトルを二度丁寧に読み、「嫌すぎる」とちょっと笑ってしまったので購入。まさかのラブコメ。恋愛小説は普段は滅多に読まないんだけど春は無性に恋愛小説とか読みたくなっちゃいますね。去年か一昨年あたりもやっぱり春に恋愛小説でキュンキュンしたくなって、でも読んだのが山本渚『吉野北高校図書委員会』...

    2018年4月20日

  • 『奇妙という名の五人兄妹』(アンドリュー・カウフマン 著 / 田内志文 訳)

    私には3歳年上の兄がいるのですが、 先日ポケモンの〈スイクン〉をめぐって 頭痛で倒れこむほどの大論争をしました。 きっかけは兄が遊んでいるポケモンGO。 捕獲したポケモンの一覧を見せてもらっていると、 「金銀のポケモンが解禁されたらしいね」 「うん」 「あれ、スイクンって金銀じゃなくない?」 「金銀だよ」 「クリスタルからで...
  • 『私にふさわしいホテル』(柚木麻子 著)

    中高生の頃は作家になるのが夢でした。 学校から帰ると自室のパソコンをつけ、 ときには寝食も忘れて延々と物語を打ちこむ日々。 今となってはそんな勇気ありませんが、 若気のいたりっていうやつでしょうか、 高校生のときは文学部顧問の勧めでコンクールに応募したり、 出版社にも二度ほど小説を送ったことなんかもありましたね。 大...
  • 『プリンス同盟 プリンス・チャーミングと呼ばれた王子たち』(クリストファー・ヒーリー 著 / 石飛千尋 訳)

    10月はじまりの手帳が欲しいなと思って このところよく雑貨屋をまわるのですが、 最近はディズニープリンセスのグッズが多いですね。 ディズニーに関係なく アリスが流行っているのはなんとなく知っていましたが、 そこらへん疎いので『眠れる森の美女』のオーロラ姫が ああいうビジュアルだったということを先日知りました。 私は昔から『わんわ...
  • 『ドミノ倒し』(貫井徳郎 著)

    前にも書いたことがありますが、 私は幼少期はまったく読書をしない子供でした。 読書が好きになったきっかけは中学校の朝読書だったんです。 朝読書の制度がはじまるにあたって、 最初に選んだ小説は恩田陸氏の『ドミノ』でした。 何年も前のことなのでさすがに内容はうろ覚えですが、 複数の主人公のおはなしが最後にはひとつにつながり、 読書嫌...
  • 『赤い糸』(蘇部健一 著)

    昨日のおはなし。 銀座の書店へ出かけたときのこと。 同行者と「本を1冊買って喫茶店で読んでいこう」という話になり、 されどもなかなかピンとくる小説がなく店内をさまよっていました。 時計を見ると時刻は午後3時。 しまった、かれこれ1時間近く店内をぐるぐるしている。 焦ったすえ、 あきらめて1冊の本を手に取り...

    2015年6月30日

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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。