【感想】
  • エンドロールまで席を立つな -『名も無き世界のエンドロール』感想

    行成薫『名も無き世界のエンドロール』を読了。『僕らだって扉くらい開けられる』を探していたときに見つけた1冊で、同じ作者だし、デビュー作らしいし、まぁ、これでもいいかなと妥協して購入したもの。結局本命も無事見つかってあちらを読了してから読むことになりましたけどね。作品にただよう空気の重さが違いすぎる。どうした。気圧低すぎて偏頭痛になったわ。 エンドロールまで...

    2018年1月31日

  • 今日の天気は「事件解決のち晴れ」 -『蝶が舞ったら、謎のち晴れ -気象予報士・蝶子の推理-』感想

    伊与原新『蝶が舞ったら、謎のち晴れ -気象予報士・蝶子の推理-』を読了。「天気」がカギとなる新感覚の理系ミステリーです。勧めてくれる小説がことごとく私にハマらないことでおなじみの知人が書店で見つけて勧めてくれた1冊なのでまったく期待しないで読んだのですが、おかしいな、悪くなかったぞ…? 一番好きなおはなしは〈序章〉 天気予報が大嫌いな気象予報...

    2018年1月26日

  • 紙が魅せてくれた美しき女傑譚 -『紙の魔術師』感想

    チャーリー・N・ホームバーグ『紙の魔術師』(原島文世 訳)を読了。表紙に惹かれて前情報なにもないままとりあえず購入しました。中盤なかなか没入できずちょくちょく流してしまったけれど、読後改めてふりかえってみると、なんだかんだおもしろかった。次の小説に行かずこのまますぐ本作再読でもいいなぁ。 『紙の魔術師』のここが魅力的! 魔術が高度な専門技術と...
  • 10㎝動かすだけで世界は変わる -『僕らだって扉くらい開けられる』感想

    行成薫『僕らだって扉くらい開けられる』を読了。書評コミュニティサイト「本が好き!」で見かけてなにこれおもしろそうと気になっていた1冊。なかなか巡りあえなかったのですがこのあいだようやく見つけたと思ったら単行本でした。盲点だった。文庫だと思ってた。なんで?初読の作家で単行本かぁ~と最初は躊躇したものの「相手を金縛りにできる!!!でも力を使うほどハゲる」という帯文句に耐えきれず購入。結...
  • サーカスは“非現実的”な世界だろうか -『サーカスの夜に』感想

    小川糸『サーカスの夜に』を読了。去年の夏頃…たしか旅行の直前、道中で読むのに『黒猫シャーロック ~緋色の肉球~』とか『サヨナラ、おかえり。』を買ったときに一度出会っていて、そのときは、今までに読んだことのない作家だから、とか、あらすじを読んだ感じ自分には合わなそう、とか理由をつけて避けてしまったのだけれど、このあいだ東京の丸善で再会していよいよ読む決心がつきました。前回の記事にも書...
  • 過去に価値はあるか -『おふるなボクたち』感想

    中島たい子『おふるなボクたち』を読了。以前お茶漬けの話を書いたときに書店を1時間うろうろして棚差しから発掘してきたうちの1冊がこちら。言ってなかったけどもう2冊は『BAR追分』と記事にはならなかった『NNNからの使者 猫だけが知っている』でした。あの雑記書いたの11月ですって。「積ん読消化するのおっそ!」とか思った?私は思った。積ん読消化するのおっそ! こ...
  • ハムとチキンがつながった -『鶏小説集』を考察する-

    !ネタバレ注意! 本記事は坂木司『鶏小説集』を独自に解釈した考察記事です。物語の結末など作品そのもののネタバレになることは書いてありませんが、設定や世界観などについて引用やページ表記を用いて考察しているので、作品を既読されている方またはこれを承諾する方のみ読むことを推奨します。また、記載される考察はあくまで筆者個人の意見です。以上のことに同意していただける場合のみ記事をお読み...

    2017年12月25日

  • 肉(ニク)めない男の人生 -『肉小説集』感想【再読】

    早急に『肉小説集』を再読して感想記事を書こう。なにこのぐちゃぐちゃ体裁。もんじゃ焼きか。2015年に私に読まれた小説たちかわいそうすぎる。月1ぐらいの間隔で再読して記事を書きなおす救済企画をやるべき。 ――2017年12月14日投稿「クセがない鶏肉は退屈かい? -『鶏小説集』感想」より というわけで2015年投稿記事救済企画第1弾。坂木司『肉小説集』読了です。前...
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佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。