【感想】
  • クセがない鶏肉は退屈かい? -『鶏小説集』感想

    坂木司『鶏小説集』を読了。当ブログにおける最古の記事『肉小説集』の続編(第2弾)です。なつかしさのあまり軽率な気持ちで記事を読みかえしてみたら文章力が幼児レベルでのみぞおちのあたりに強力な黒歴史パンチを喰らってしまいました。早急に『肉小説集』を再読して感想記事を書こう。なにこのぐちゃぐちゃ体裁。もんじゃ焼きか。2015年に私に読まれた小説たちかわいそうすぎる。月1ぐらいの間隔で再読...
  • 食べて、呑んで、また明日。 -『BAR追分』感想

    伊吹有喜『BAR追分』を読了。 本を選んでいるときがたまたま「ミステリーはもういい…癒しを…癒しをくれ…」という気分だったのと、これなら初見の作家でも気楽に読めるだろうというちょうどいいページ数だったから、前情報一切なしで手をだした作品だけどすごくよかった!棚差しに続編と2冊ならんでいたからそっちも買っておけばよかったなぁ。続編もぜひ読みたい。次に書店へ行くとき絶対に買ってこよう。...
  • 怪物に優しい子守歌を -『甦る殺人者 天久鷹央の事件カルテ』感想

    知念実希人『甦る殺人者 天久鷹央の事件カルテ』を読了。甦るってどういうこと?って最初はわくわくしながら読んでいたはずなのに、物語の着地点が存外に寂しいところだったので絶賛放心中です。まさか「わくわくしながら読んでいた」ことをこんなに考えさせられるとは。たまたまサイン本を手に入れることができたのですがシリーズの中でも大切にしたい1冊になったのでよかった。うれしい。 ...

    2017年11月24日

  • トートロジーまたはマトリョーシカ -『黒猫の回帰あるいは千夜航路』感想

    森晶麿『黒猫の回帰あるいは千夜航路』を読了。『黒猫の薔薇あるいは時間飛行』から書きはじめた歴代の記事を読んでもらえばわかるとおり、黒猫シリーズは毎回内容が高次元すぎて私ごときが感想を述べるのは至難の技なので、「完結」と聞いて惜しむ反面どこかで安堵している自分がいます。…あ…「第1期完結」なの…へぇ…そ、そうなんだ…。第2期がはじまっても感想が更新されなかったときは察...
  • 笑いに犠牲はつきものだ、けど。 -『ハガキ職人タカギ!』感想

    風カオル『ハガキ職人タカギ!』を読了。タイトルからこってこてのギャグを想像していたのだけれど、思っていたより平穏で、悩んで、青春していました。私も中学時代はラジオ聴いていたなぁ。bayfm。当時ファンだった嵐の二宮君がラジオをやっていて、今でもラジオ聴くときはその名残でbayfm聴いてしまう。毎週ラジオを聴きながらノートに放送内容をメモしたりしていたっけ。なつかしい...
  • プラチナは誰のもの? -『プラチナタウン』感想

    楡周平『プラチナタウン』を読了。知人が最近推しつつある作家で便乗して私も1冊読んでみました。経済小説?ビジネス小説っていうんだろうか。政経とかこの世で一番興味のないジャンルだったことを途中思いだすもあとのまつり。うにょうにょ読んでしまって読了まで1週間以上かかってしまった。でも、まるで興味のないジャンルをわざわざ1週間もかけてしかも読みきったというところに作者のただ...

    2017年11月9日

  • あれたんていが ないている -『一つ屋根の下の探偵たち』感想

    森川智喜『一つ屋根の下の探偵たち』を読了。当ブログでは“名探偵三途川理”シリーズでおなじみ森川氏による1冊。青崎有吾『ノッキンオン・ロックドドア』を彷彿とさせる探偵2人のシチュエーションだけど、あちらがあくまでトリック重視のスタイリッシュなミステリーだとすると、こちらはキャラクターに視点を寄せた人間味があってややクセのあるミステリー。同じコーヒーだけど豆が違うみたい...

    2017年10月31日

  • この1杯が魔法になる -『魔法使いのハーブティー』感想

    有間カオル『魔法使いのハーブティー』を読了。表紙と版元的にラノベっぽいなぁと一度購入するのをやめた作品なのですが、どっこい、良作でした。ちょいちょい不覚にも涙腺がゆるんでしまった。お冷にローズマリーを入れた水を瓶で出してくれる洒落たロシア料理のお店を知っているんですが久しぶりに行きたくなりました。さむくなってきたし今週末にでも行ってこようかな。ビーフストロガノフが美...
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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。