考える
  • 世界は誰がつくるのだろう -『わるいうさぎ』感想

    中島さなえ『わるいうさぎ』を読みました。読みやすそうなページ数と動物たちが主人公という点に惹かれたものの、前に読んだ『いちにち8ミリの。』が今やまったく内容を思いだせないほど自分の肌に合わなかったのでどうしたものかと書店をぐるぐるまわって悩んだ末、結局買いました。今度は私にもジャストフィット。読んでよかった! 「童話集」と見せかけて ラボから脱走した...

    2018年11月10日

  • なぜシロクマだったのか -『レプリカたちの夜』を考察する

    !ネタバレ注意! 本記事は一條次郎『レプリカたちの夜』について独自に解釈した考察記事です。作品の結末や核心に触れる部分を引用する場合がございますので、作品既読の方またはこれを承諾する方が読むことを推奨します。また、記載される内容はあくまで筆者個人の意見です。以上のことに同意していただける方のみ続きをお読みください。 一條次郎『レプリカたちの夜』を読んで思...
  • シロクマの投げっぱなしジャーマン -『レプリカたちの夜』感想

    一條二郎『レプリカたちの夜』を読みました。突然ですが、私は子供の頃、父に足首をつかんでそのままブランコのように前後に揺らすかぐわんぐわんぶんまわしてもらうのがめちゃくちゃ楽しくて好きでした。公園にもそういうぶんまわし遊具あったけど今は撤去されちゃったなぁ。鳥かごみたいなやつ。どうしてそんな話になるかというとそういう小説だったからです。投げっぱなしジャーマン。話を聞いた知人からブログタイトル...
  • 言葉の時間はもうおしまい -『僕には世界がふたつある』感想

    ニール・シャスタマン『僕には世界がふたつある』(金原瑞人 , 西田佳子 訳)を読了。一度書店で見かけたとき、幻想的な表紙に惹かれたものの、自分には抱えきれない作品なんじゃないか、相当な覚悟がなければ読めないんじゃないか、と不安になって買わずに帰ってしまったんだけど、たまたま趣味でアルビレオのサイトを見ていたとき作品群の中に本著表紙があったのをきっかけに読むことを決めました。結果、と...
  • サーカスは“非現実的”な世界だろうか -『サーカスの夜に』感想

    小川糸『サーカスの夜に』を読了。去年の夏頃…たしか旅行の直前、道中で読むのに『黒猫シャーロック ~緋色の肉球~』とか『サヨナラ、おかえり。』を買ったときに一度出会っていて、そのときは、今までに読んだことのない作家だから、とか、あらすじを読んだ感じ自分には合わなそう、とか理由をつけて避けてしまったのだけれど、このあいだ東京の丸善で再会していよいよ読む決心がつきました。前回の記事にも書...
  • 『深い穴に落ちてしまった』(イバン・レピラ 著 / 白石貴子 訳)

    高校生のとき、自宅の階段から落ちたことがある。リビングから母が飛びだし2階の寝室で寝ていた父が飛びだしてくるほど大きな音をたてて盛大にすっころび、痣もでき、まぁまぁ痛かったはずなのにどういうわけか当の自分は、んふんふ、と、変な笑い声をあげていた。朝っぱらから。 そういえば小学生ぐらいのとき、雨でぬれたコンクリートの上で転んで膝の皮がペロッとむけたときも...
  • 『大正箱娘 怪人カシオペイヤ』(紅玉いづき 著)

    最近、新しい友達ができました。 名前は「かふんしょうのくすり」っていうんです。素敵でしょう? 頭痛や腹痛が日常茶飯事なので薬は友達なのですが、 加えて今年は本格的に花粉症デビューしてしまったので、 くしゃみを止めるための薬が常備薬に仲間入りしました。 目薬やハンドクリーム、 のどがガサガサになりやすいからマスクも必需品。 カバン...
  • 『よるのばけもの』(住野よる 著)

    先日「アフォーダンス」という言葉を知りました。提供する側から使いかたをaffordする(与える)という意味で、人間と物との関係性を考えるうえでとても重要なことだそう。優れた道具は皆「こう使ってください」という働きかけが明確なのです。 このアフォーダンスを当ブログにも応用しようとブログの方向性や特色、強みなど考えてみた結果、Mugitterとはなんなのか...
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佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。