青春
  • 立てば芍薬 座れば牡丹 綻ぶ謎は百合の花 -『昭和少女探偵團』感想

    彩藤アザミ『昭和少女探偵團』を読みました。表紙に惹かれて手には取ったものの「歴史は興味ないんだよなぁ」と一瞬怖気づき、だけど自室の本棚を思いだしてみたら普通に伽古屋圭市『からくり探偵・百栗柿三郎』とか紅玉いづき『大正箱娘 見習い記者と謎解き姫』とかあったので、なんだ杞憂かとそのままレジへ持っていきました。結論から言うと買って大正解。思っていた以上におもしろかった! ...
  • あの紙ひこうきのように -『皿と紙ひこうき』感想

    石井睦美『皿と紙ひこうき』を読みました。高校生ぐらいのときに購入して、そのときはこれといった感想なかったはずなんだけど、何度か本棚を整理する機会はあったのにずっと持ちつづけている1冊。とうとう内容も思いだせなくなってきて、どういう話だったんだっけ、と再読に至りました。持ちつづけていた理由はわかりません。だけどこれからも私はふとしたときにこの本を読み返すのだろうなと思いました。 ...
  • 問.石ころを動かすのはなにか答えなさい -『お任せ!数学屋さん3』感想

    向井湘吾『お任せ!数学屋さん3』を読了。お待たせしました!『お任せ!数学屋さん2』からおよそ2年ぶりのシリーズ完結編です。前回『あずかりやさん』を読んだときに「そんなことよりポプラ社は数学屋さん最新作の文庫化をだな…」と内心文句を垂れながら検索したら2017年11月には文庫化されていたという。知らなかっただけという。文庫化を待っているとこういうこと(文庫化するあいだに忘れている)が...
  • エンドロールまで席を立つな -『名も無き世界のエンドロール』感想

    行成薫『名も無き世界のエンドロール』を読了。『僕らだって扉くらい開けられる』を探していたときに見つけた1冊で、同じ作者だし、デビュー作らしいし、まぁ、これでもいいかなと妥協して購入したもの。結局本命も無事見つかってあちらを読了してから読むことになりましたけどね。作品にただよう空気の重さが違いすぎる。どうした。気圧低すぎて偏頭痛になったわ。 エンドロールまで...

    2018年1月31日

  • サーカスは“非現実的”な世界だろうか -『サーカスの夜に』感想

    小川糸『サーカスの夜に』を読了。去年の夏頃…たしか旅行の直前、道中で読むのに『黒猫シャーロック ~緋色の肉球~』とか『サヨナラ、おかえり。』を買ったときに一度出会っていて、そのときは、今までに読んだことのない作家だから、とか、あらすじを読んだ感じ自分には合わなそう、とか理由をつけて避けてしまったのだけれど、このあいだ東京の丸善で再会していよいよ読む決心がつきました。前回の記事にも書...
  • 笑いに犠牲はつきものだ、けど。 -『ハガキ職人タカギ!』感想

    風カオル『ハガキ職人タカギ!』を読了。タイトルからこってこてのギャグを想像していたのだけれど、思っていたより平穏で、悩んで、青春していました。私も中学時代はラジオ聴いていたなぁ。bayfm。当時ファンだった嵐の二宮君がラジオをやっていて、今でもラジオ聴くときはその名残でbayfm聴いてしまう。毎週ラジオを聴きながらノートに放送内容をメモしたりしていたっけ。なつかしい...
  • 息苦しさはオーダーメイド -『かがみの孤城』感想

    辻村深月『かがみの孤城』を読了。昔『名前探しの放課後』を広告かなにかで見かけておもしろそうだなと興味をもって以来、私の中で〈興味はあるのになかなか読まない〉という位置づけになりつつある辻村作品。3年前ぐらいに『ぼくのメジャースプーン』を読んで、その前後にたしか『オーダーメイド殺人クラブ』も読んだことがあります。知人が過去に辻村作品を結構読んでいるらしく、本棚に何作品か置いて...
  • 青春はスペシャルなパンの味 -『うさぎパン』感想

    瀧羽麻子『うさぎパン』を読了。高校生だか大学生だかのときに読んで一度は処分してしまった本だけど、以前どこかの書店でふたたび見かけてなつかしさでつい購入。なにかのタイミングで必ず再読しようと決めてはいたのですがまさか「食欲の秋」とかいう理由で手にとるとは夢にも思っていませんでした。読書の秋?オールシーズン読書してるのでパス。 パン屋は店頭に『...
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佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。