• 人体自然発火現象は本当に起こる -『火焰の凶器 天久鷹央の事件カルテ』感想【再読】

    知念実希人『火焰の凶器 天久鷹央の事件カルテ』を読みました。再読です。シリーズ最新刊『魔弾の射手 天久鷹央の事件カルテ』を買ったので雰囲気思いだすためにというのと、初読のときは感想が書けずにいたので。一度読んだはずなのに、いやぁ、二転三転する事件から目が離せない。エンタメミステリーとしてよく練られた優秀な1冊だと思います。 初読の感想はこちら: ...

    2019年9月19日

  • 物語以上のことを求められる人に、私は彼女を託したい -『人ノ町』感想

    詠坂雄二『人ノ町』を読みました。詠坂雄二という作家が私にはさっぱりわからない。どうした。めちゃくちゃおもしろかったんですけど。2年前に読んだ『インサート・コイン(ズ)』はさぁ、もっとさぁ、よくわからなかったじゃん!あらすじ読んで興味を持ったけど作者名見たとき「あー……」と言ってしまった自分を殴りに行きたい。YAH YHA YHA歌いながら。 いわゆる雰囲気ゲーのよ...
  • 奇妙が侵入してくる -『私たち異者は』感想

    スティーヴン・ミルハウザー『私たち異者は』(柴田元幸・訳)を読みました。最近とんと観ていないけど、タモリはさ、今でも「次に奇妙な扉を開けるのはあなたかもしれません」みたいなこと言ってるわけでしょ? でもさ、この小説は違うんだよ、自分のほうから扉開けて入ってくるの。巧妙に、ちょっとずつ、ちょっとずつ。あとはただ穏やかに絶望。こわい。 ミリ単位まで見逃さないリアルタイ...
  • 偶然は必然かもしれないこの世界がおもしろくて愛おしい -『偶然仕掛け人』感想

    ヨアブ・ブルーム『偶然仕掛け人』(高里ひろ・訳)を読了しました。たとえば、今日コンビニで選んだあのお菓子、道端でばったり会った友人、トイレに忘れてきたハンカチ――私の人生において“偶然”だと思っていたあれもこれも、じつは誰かによって意図されたものだったとしたら?世界のあらゆる偶然を操作する〈偶然仕掛け人〉があたりまえにひっそりと存在する世界を舞台にした現代ファンタジー。読めばきっと、あなた...
  • 読書感想文におすすめの小説まとめ【2019年版】

    画面右にある人気記事の一覧をさ、ちょっと、見てくれる?どっかに読書感想文特集の記事ない?2018年版もない?あるとしたら、今、7月下旬か8月。完全に夏。普通に夏休み。 私なんかほとんど毎日読書感想文を書いているんだぞ。 — 麦 (@BLT691) August 24, 2017 というわけで、今年も読書感想文の宿題が出てしまった学生のみなさんこんにちは。今...

    2019年8月1日

  • 同居解散!?婚約白紙!?……でも、よかった。 -『京洛の森のアリスⅢ 鏡の中に見えるもの』感想

    望月麻衣『京洛の森のアリスⅢ 鏡の中に見えるもの』を読みました。『京洛の森のアリス』からはじまるシリーズ3作目にして、ようやく作者が書きたいこと・伝えたいことがわかってきたかもしれない。今回はとくにありすと蓮の恋の行方についてかなりやきもきしたんだけど、ああ、それこそがテーマだったんだなって。キーワードは「執着」。 未読の人はまずこちらからどうぞ: ...
  • 私たちにはきっと「さよなら」の期間が必要だった -『おはようの神様』感想

    鈴森丹子『おはようの神様』を読みました。前作『さよならの神様』のタイトルに胸さわぎを覚えてからおよそ1年。大好きな〈ポコ侍〉シリーズが帰ってきました。待望の新作はやっぱり萌えたり笑ったり泣いたり、ときめきがとまらない1冊でした。泣いているとき、主に電車の中だったんですけどね。 おかえりの奇跡 1年前、『さよならの神様』というタイトル、そしてあのラストシーンを読ん...
  • 佐々木麦とは何者なのか

    高校生のときにね、性格が正反対の男子高校生コンビがおたがいに「俺がいなくてもあいつ楽しそうじゃん……」と拗ねる原稿用紙約100枚のキツすぎる小説を恥ずかしげもなく出版社に応募した私なので。慣れてるわけですよ。自分の文章が賞に落選するのなんて。全然、CHA-LA-HEAD-CHA-LA。 だけどこのあいだBooks&Appsの「私のブログ大賞」の結果発表見たときの衝撃ったらさー、もう、...

    2019年7月19日

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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。