• 『イノセント・デイズ』(早見和真 著)

    早見和真『イノセント・デイズ』を読了。数年前に〈このミス〉で見たタイトルの「イノセント(無垢)」にまったく似つかわしくないひたすらに陰鬱とした表紙デザインとあらすじが忘れられず、文庫化したタイミングでいよいよ覚悟を決めて手を伸ばしました。物語としては作中の言葉を借りれば「ステレオタイプ」。日本推理作家協会賞を受賞した作品だそうですが、個人的には物語性ではなくテーマに...
  • 『ぼくが死んだ日』(キャンデス・フレミング 著 / 三辺律子 訳)

    小学生の頃に一度だけ、 幽霊…かもしれない存在と出会ったことがあります。 長袖を着ていたから季節は春か秋。 学校から帰る途中で空はまだ明るかった。 一人で下を向いて歩いていたはずが、 視界の右端にいつのまにか女性の脚が見えている。 細身でベージュのパンツに赤いハイヒールだったのを今も鮮明に覚えている。 最初、空目だと...
  • 【企画】『暗黒女子』映画化を見届けてきた

    ※注意※ 当記事には 映画「暗黒女子」および原作『暗黒女子』に関するネタバレがあります。 映画「暗黒女子」をすでに鑑賞されている方、 原作を既読の方、またはネタバレを了承する 未鑑賞/未読の方のみ閲覧されることを推奨いたします。 本文中【反転】や赤字でのネタバレの注意喚起を行いませんのでご注意ください。 ...

    2017年5月12日

  • 『トランプソルジャーズ 名探偵三途川理 VS アンフェア女王』(森川智喜 著)

    ポピュラーなトランプゲーム、神経衰弱。 「神経衰弱」という名前、 子供の頃は神経が衰弱するほどだろうかと その由来を不思議に思ったものですけれど、 先日Twitterでとんでもない神経衰弱を見ました。 その名も「QR衰弱」。 あのQRコードでペアを見つけていく神経衰弱です。 これほど「神経衰弱」の名にふさわしい神経衰...
  • 凡人も名推理がしたい -『ワスレロモノ 名探偵三途川理 VS 思い出泥棒』を考察する-

    ※注意※ 本記事では 森川智喜『ワスレロモノ 名探偵三途川理VS思い出泥棒』を独自に考察/解釈しています。 作品の結末等ネタバレになることは書いてありませんが 具体的なページ表記があるなど既読を前提に書かれておりますので 作品既読の方またはこれを承諾する未読の方が読むことを推奨します。 また、本記事に記載される考察はあくまで筆...

    2017年4月27日

  • 『ワスレロモノ 名探偵三途川理 VS 思い出泥棒』(森川智喜 著)

    今年1月に兄の結婚式があったのですが、 式の演出で出席者にはそれぞれキャンドルが配布されました。 キャンドルの色は新郎・新婦が それぞれの人をイメージして選んだ色だそう。 私は濃いめのピンク色でした。 好きな色の話なんかしたことないのに、 わかるものなんだなぁとびっくりしました。 まぁ、私は兄の好きな色、さっぱりわかりませんけど...
  • 『からくり探偵・百栗柿三郎 櫻の中の記憶』

    このあいだ、 とっても美味しい納豆の食べかたを発見しました。 チキンラーメン+ごま+ごま油、これが美味しい! 用意するもの: ・納豆 ・ごはん ・チキンラーメン(1/2袋) ・ごま ・ごま油 ・長ネギ(お好みで) 分量は好みで適当に調節してください。 ①チキンラーメンを袋の中で砕く。 ②ボウルに...
  • 予告編に目をつむって

    先日ある人と映画の話になり、なるほどなぁ、と思う話があった。 その人は、映画館での上映前やテレビCMによる映画の宣伝はまったく見ないようにしているという。どうしても避けられない状況のときはなんと目をつむるという徹底ぶり。そうしてかたくななまでに宣伝を見ない理由は、ストーリー展開や登場人物たちのキャラクター、「感動!」「泣ける」などの売り文句は全部自分で...

    2017年4月19日

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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。